第112回:メルセデスAMG GT S(前編)

2015.08.07 水野和敏的視点

コンパクトに生まれ変わる

クルマというのは乗ってみないとわからない――。当たり前のことですが、今回、メルセデスAMG GT(以下、AMG GT)をテストして、あらためてそう思いました。

まずは車両の概要をざっと説明すると、AMG GTは「SLS AMG」(以下、SLS)に続くAMG自社開発のスポーツカー第2弾として2014年秋に登場しました。骨格としてアルミの“スペースフレーム”を備え、トランスミッションをリアアクスルに配置するトランスアクスルレイアウトが採用されているところはSLSと同じですが、全長はSLSより90mm短い4550mm、ホイールベースも50mm短い2630mmと、ボディーがひとまわりコンパクトにまとめられています。また、SLSの外観上の特徴となっていたガルウイングドアは廃止され、AMG GTでは通常のスイング式が採用されています。

エンジンは、SLSが6.2リッターV8自然吸気(571ps、66.3kgm)だったのに対し、AMG GTでは4リッターV8ツインターボに“ダウンサイジング”されています。そのチューンは2種類あり、高性能仕様の「GT S」では510psと66.3kgm、標準仕様の「GT」では462psと61.2kgmを発生します。今回は高性能版のGT Sをテストしました。

価格はGT Sが1840万円で、GTが1580万円。テスト車のGT Sには、フルレザーの内装や高級オーディオ、スポーティーな専用シートなど、より豪華かつスポーティーに彩るセットオプション「AMGダイナミックパッケージプラス」などが装着されており、オプション込みの総額で2095万円となっています。

さて、AMG GTの実車を目の前にした第一印象はというと……。正直に言いましょう、SLSの登場から経過した時間なりの進化をAMG GTに期待していた私としては、それほどいい印象を持ちませんでした。このクルマのオーナーの方やメルセデスファンの方には申し訳ないけれど、外観を見るかぎり、私が期待した進化というより、むしろある種の“アンチヒーロー”を狙っているのか? とさえ思ってしまいました。

ヘッドランプまわりに配されたLEDランプにしても、まるで派手さだけを訴求したように感じられ、メルセデス特有の磨かれた質感や存在感を期待している私には「これはちょっと……」と思えてしまいました。ただし、フロントフェイスは「メルセデスの造り」というものをきちんと踏襲していますね。メルセデス流セオリーにしたがって、オーソドックスにスポーツモデルのフラッグシップ感をきちんと造りだしているな、という印象は受けました。


第112回:メルセデスAMG GT S(前編)の画像 拡大

第112回:メルセデスAMG GT S(前編)の画像 拡大

第112回:メルセデスAMG GT S(前編)の画像 拡大

第112回:メルセデスAMG GT S(前編)の画像 拡大

第112回:メルセデスAMG GT S(前編)の画像 拡大
メルセデスAMG GT S
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4550×1940×1290mm/ホイールベース:2630mm/車重:1670kg/駆動方式:FR/エンジン:4リッターV8 DOHC 32バルブ ツインターボ/トランスミッション:7AT/最高出力:510ps/6250rpm/最大トルク:66.3kgm/1750-4750rpm/タイヤ:(前)265/35ZR19 (後)295/30ZR20/車両本体価格:1840万円
メルセデスAMG GT S
    ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4550×1940×1290mm/ホイールベース:2630mm/車重:1670kg/駆動方式:FR/エンジン:4リッターV8 DOHC 32バルブ ツインターボ/トランスミッション:7AT/最高出力:510ps/6250rpm/最大トルク:66.3kgm/1750-4750rpm/タイヤ:(前)265/35ZR19 (後)295/30ZR20/車両本体価格:1840万円
    拡大

第112回:メルセデスAMG GT S(前編)の画像 拡大

関連キーワード:
AMG GT, メルセデス・ベンツ

あなたにおすすめの記事
関連記事
  • メルセデスAMG GT 4ドアクーペ 2018.3.8 画像・写真 独ダイムラーが、ジュネーブショーで「メルセデスAMG GT 4ドアクーペ」を発表。メルセデスAMG独自の4ドアクーペで435hpの直6ターボから639 hpのV8ターボまで、3種類のエンジンがラインナップされている。詳細な姿を写真で紹介する。
  • メルセデスAMG C63 Sセダン/ステーションワゴン/クーペ/カブリオレ【海外試乗記】 2018.8.20 試乗記 Dセグメントのボディーに500psオーバーのエンジンを搭載した「メルセデスAMG C63 S」。今回の改良で新たに9段ATが搭載されたが、実際に試乗すると、それ以上に注目すべきポイントがいくつも見受けられた。長足の進化の程をドイツよりリポートする。
  • メルセデスAMG E53 4MATIC+(4WD/9AT)【試乗記】 2018.10.10 試乗記 2種類の過給機とマイルドハイブリッドシステムを搭載する、メルセデスの新型セダン「AMG E53」。その走りは極めてスポーティーでありながら、昔ながらのやんちゃな高性能モデルとは違った楽しさに満ちたものだった。
  • ロータス・エヴォーラGT410スポーツ(MR/6MT)【試乗記】 2018.10.18 試乗記 416psのハイチューンエンジンと専用の空力デバイスを備えた「ロータス・エヴォーラGT410スポーツ」。ラインナップの隙間を埋めるエヴォーラの高性能グレードは、ベース車の美点を損なうことなく走りを高めた、絶妙な一台に仕上がっていた。
  • メルセデスAMG G63(4WD/9AT)【試乗記】 2018.9.22 試乗記 古式ゆかしきラダーフレームのクロカン車に、585psのV8ツインターボエンジンを搭載した「メルセデスAMG G63」。無理やりすぎる商品企画の帳尻を、自慢の技術で合わせてみせた力業な一台に、無駄で過剰なクルマならではの楽しさを見た。
ホームへ戻る