ポルシェ・ケイマンGT4(MR/6MT)
ヒエラルキーを壊すもの 2015.12.30 試乗記 「ポルシェ・ケイマン」のトップグレード「GT4」に試乗。「911カレラS」のエンジンや「911 GT3」ゆずりの足まわりを得て、MRスポーツカーの走りはどのように仕上がったのか?資質では911をしのぐ!?
キ、キターッ! というような感慨をケイマンGT4のデビューに際して思ったスポーツカー好きは多いに違いない。
2015年春のジュネーブモーターショーで姿を現したケイマンGT4は、ポルシェ自身の表現をそのまま借りると、「911 GT3のコンポーネンツを備えたケイマン」である。
そもそもケイマンはザ・ポルシェであるところの皇帝911の弟分であって、弟はあくまで弟、いわば部屋住みの身分として処遇されてきたことは否めない。そうであるがゆえになおさら、リアエンジン2+2とミドシップ2シーター、ピュアスポーツカーとしての素質はどちらが上か、という議論が巷間(こうかん)、続けられてきたわけである。
才能の面では兄をもしのぐ、と一部でささやかれるそのケイマンをヴァイザッハのモータースポーツ部門が開発した。しかも、アマチュア向けのレースシリーズ、GT4という欧州選手権の参戦を前提に。GT3レースの妹的存在と位置付けられるGT4は、GT3に比べて低コストとイコールコンディションが強調されている。そこに、911との身分差を感じさせるけれど、であるにしてもトキめくではありませんか。