第56回:激安店の粗悪車(?)に賭けろ!
2017.08.29 カーマニア人間国宝への道木を見ず、森を見よ
私は買った。激安中古ドイツ車店で激安「BMW 320dスポーツ」を! 「希望ナンバー手数料2万円」という諸経費の高さに失神しそうになりながら敢然と買った。いったいナゼ!?
確かに希望ナンバー手数料2万円は法外だ。しかし法外といってもしょせんは2万円。2万円で全体、つまり総額を見失ってはいけない。なにせ総額は安いんだから!
ただ、もうひとつ失神しそうな事実があった。そのクルマは最初の車検までまだ2カ月あるはずが、一時抹消登録によって「車検なし」だったのだ。車検が残ってりゃ、あと2カ月はディーラーの新車保証が効いたはずなのに、それもないのれすよ~~~~!
責任者「車検残2カ月なんてクルマ誰も買いませんから、ウチはいったん抹消登録するんです」
そんなことないヨー! 中古車ってオーナーが変わった直後にトラブルが出やすいんだから。おかげで新車保証はナイし、車検もこの店で取らざるを得ナイ。
これも、車検費用になにがしか上乗せして、車両本体の安さを取り戻す戦略か……。
しかし私は冷静になって考えた。
このクルマ、走行距離は2.4万kmだし、ボディーカラーやグレードも狙い通りだ。諸経費は高いが、ボディーコーティング(8万円)やら追加保証(6万4000円)やらをはずせば、車検費用込みで約32万円、支払総額255万円。やっぱり安いんだよ! ほぼ同条件のクルマが、ディーラー系だと、支払総額で40万円くらい高いんだから!

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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