谷口信輝の新車試乗――アウディR8スパイダーV10 5.2 FSIクワトロ(前編)

2017.10.05 mobileCG

レーシングドライバーの谷口信輝が歯に衣着せず、本音でクルマを語り尽くす! 今回の主役はアウディのフラッグシップオープンモデル「R8スパイダー」である。取材当日の天候はあいにくの雨。540psものパワーを誇るスーパースパイダーは、箱根のワインディングロードでどんなフットワークを披露するのだろうか。

 
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自分からグイグイ曲がっていく!

「チクショー……」
ほとんど聞き取れないくらい小さな声だったが、谷口信輝はたしかにそうつぶやいていた。
Clubpymeのようなウェブサイトでは本来使ってはいけない言葉だが、よくよく谷口の表情を見てみれば、その意味合いとは裏腹に妙にうれしそうな笑顔を浮かべている。

「チクショー」 繰り返しそうつぶやく谷口に、なぜ“チクショー”なのか尋ねてみた。すると「だってオオタニさんが『どうだ、R8スパイダーいいだろう。文句があるなら言ってみろ!』という顔をしているんだもん。だから一生懸命アラを探したんだけれど、正直“ぐう”の音も出ない。このクラスのスーパースポーツカーとしてはダントツで、ライバルたちがかすんじゃうくらい、メチャクチャいいね。文句のつけどころがない。だから悔しい。チクショーなんですよ(笑)」

ああ、それだったらよかった。では、どこがどんな風に“チクショー”なのか、もう少し詳しく説明してもらおう。
「まず、フロントもリアも接地感がバツグンにいい。今日は雨で路面もぬれているから、この手のスーパースポーツカーを走らせたら緊張感を覚えてもおかしくないけれど、R8スパイダーに乗っていると『あれ? ここ本当にぬれているの?』っていうくらいの安心感が味わえるんです」

安定性重視と聞くとアンダーステア傾向のクルマを想像されるかもしれないが、R8スパイダーはここでもドライバーの予想を裏切るという。
「普通、ある程度のペースでコーナーに進入すると、ぐっとステアリングを切っても思ったほど曲がらなくて、少し切り増したりするじゃないですか。ところがアウディは自分からグイグイ曲がっていこうとするので、反対にステアリングを少し戻したくなるくらい。思わず『いいよいいよ、そんなに曲がらなくても……』って言いたくなっちゃいました」(続く)

(語り=谷口信輝/まとめ=大谷達也<Little Wing>/写真=小林俊樹/編集=竹下元太郎)

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