サーブ9-5エアロXWD(4WD/6AT)【試乗記】
帰ってきた旗艦 2011.08.03 試乗記 サーブ9-5エアロXWD(4WD/6AT)……721万9000円
13年ぶりにフルモデルチェンジした「サーブ9-5」。“二枚目”なスタイリングに生まれ変わった新型の、走り方はいかに? 最上級のスポーティグレード「エアロXWD」に試乗した。
全長5メートル超の堂々たるボディ
すでに海外のモーターショーで見る機会があったので、実車に触れるのは今回が初めてではない。しかし、いざ東京の街中に置いてみると、新型「サーブ9-5」は思いのほかボリューム感のあるクルマだった。全長は5メートルを超えており、ボディサイズは「メルセデス・ベンツSクラス」や「BMW7シリーズ」に迫る。同じスウェーデンの大型サルーン「ボルボS80」(全長4850mm)が、引き締まって見えてくるくらいである。
ビジネス上はオランダのスパイカーの傘下に入ったサーブだが、クルマそのものはかつての宗主、GMのコンポーネンツで成り立っており、車両のそこかしこにGMの刻印が見られる。クルマの土台にあたるシャシーは、GMグループ内で「イプシロンII」と呼ばれているミドルサイズFF(および4WD)向けのもの。オペルが主体になって開発し、オペルブランドとしては「インシグニア」に使用されている……と言っても、大半の人がピンとこないことであろう。インシグニアとは、かつての「ベクトラ」の後継車である。あちらではなかなか評判が良く、2009年の欧州カーオブザイヤーに輝いた。
2.8リッターV6ターボエンジンも、スペックこそ若干の違いはあるが、基本的にはインシグニアと共用と見ていい。BMWなら「535i」(3リッター直6ターボ)に匹敵する、300psおよび40.8kgmというパワー・トルクを誇る。なかなか比出力の高いエンジンである。その他、日本では2リッター直4ターボも選べるが、さらに本国では1.6リッター直4ターボというストイックなダウンサイズエンジンも用意されている。それでは、まずはデザインから見ていこう。