アクティブ旅のプロや、カーデザイナーも愛用

ところでカシオはいつごろヨーロッパに上陸したのだろうか。イタリアに住む身としては気になるところだ。

正確を期すため、東京のカシオ計算機広報部に問い合わせてみた。
回答を要約すると以下のとおりだ。まずは1967年にスイス・チューリッヒに欧州事務所を開設し、電卓の販売を開始したのが始まりである。続いて1972年、重要戦略拠点と位置づけたドイツで電卓の販路を拡大すべく、ハンブルクに販社を設立。1975年からは時計の販売を開始するとともに、英国ロンドンにも販社を設けた。イタリアに拠点が開設されたのは、露、仏、蘭、西と同時期である1990~2000年代という。

ボクが最近出会った人の中にも、カシオのスタンダードウオッチを愛用している人が少なからずいる。エドアルド・バウザーニ氏(2018年現在、32歳)は、中部のシエナ出身でありながら南部のパレルモ大学を卒業し、ベルリン在住などを経て今は再びトスカーナを拠点にしている行動派だ。

ボクが彼の時計を発見して「おっカシオだ」と指さすと、「日本ブランド最高!」と即座にリアクションが返ってきた。彼はトレッキングやマウンテンバイクのツアーを導くアクティブ・トリップリーダーを生業(なりわい)としている。日々の仕事に、タフなカシオはうってつけなのである。

もうひとりは、トリノのカーデザイナー、ピエトロ・ヌーメ氏(同30歳)だ。
「ピニンファリーナ・エクストラ」を経て、クリス・バングル氏が主宰するストゥディオにアート・ダイレクターとして参画。現在は、母校であるトリノの有名なデザインスクール「IAAD」で教鞭(きょうべん)もとる。パネライやハミルトンも愛用しているという彼だが、カシオを「どのようなシチュエーションや、服装にも合わせられるマストアイテム」と評する。

アクティブ・トリップリーダーとして働くエドアルド・バウザーニ氏。
アクティブ・トリップリーダーとして働くエドアルド・バウザーニ氏。拡大
カーデザイナーのピエトロ・ヌーメ氏。最新の仕事はクリス・バングル・アソシエイツが2017年のロサンゼルスショーで公開した、中国の大都市向けEV「レッズ」。
カーデザイナーのピエトロ・ヌーメ氏。最新の仕事はクリス・バングル・アソシエイツが2017年のロサンゼルスショーで公開した、中国の大都市向けEV「レッズ」。拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト。国立音楽大学ヴァイオリン専攻卒にして、二玄社『SUPER CG』元編集記者、そしてイタリア在住21年と脈絡なき人生を歩んできたものの、おかげで妙に顔が広い。今日、日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして執筆活動に携わると共に、NHKラジオフランス語テキストでも活躍中。10年以上にわたるNHK『ラジオ深夜便』レギュラーリポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも奮闘している。、(ともに二玄社)、、(ともに光人社)、(NRMパブリッシング)など数々の著書・訳書あり。

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