【SUPER GT 2018】第3戦鈴鹿でホンダNSX-GT勢がワンツー

2018.05.20 自動車ニュース
SUPER GTの第3戦鈴鹿を制した、野尻智紀/伊沢拓也組のNo.8 ARTA NSX-GT。
SUPER GTの第3戦鈴鹿を制した、野尻智紀/伊沢拓也組のNo.8 ARTA NSX-GT。拡大

2018年5月20日、SUPER GTの第3戦が鈴鹿サーキットで開催され、GT500クラスはNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也)が、GT300クラスはNo.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/中山雄一)が勝利した。

GT500クラスのスタートシーン。予選で上位を占めたホンダ勢を先頭に第1コーナーへと向かう。
GT500クラスのスタートシーン。予選で上位を占めたホンダ勢を先頭に第1コーナーへと向かう。拡大
2位でフィニッシュしたNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)。元F1チャンピオンのバトンは、勝利を逃したことを悔しがりながらも「ポジティブな要素も得られたレース」などとコメントした。
2位でフィニッシュしたNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)。元F1チャンピオンのバトンは、勝利を逃したことを悔しがりながらも「ポジティブな要素も得られたレース」などとコメントした。拡大
3位はレクサス。No.1 KeePer TOM'S LC500が、表彰台の一角をもぎとった。
3位はレクサス。No.1 KeePer TOM'S LC500が、表彰台の一角をもぎとった。拡大
トップでゴールしたNo.8 ARTA NSX-GTをチームメイトが歓喜の声とともに迎える。
トップでゴールしたNo.8 ARTA NSX-GTをチームメイトが歓喜の声とともに迎える。拡大

予選は驚異的タイムでの争いに

昨年まで伝統の“鈴鹿1000km”として開催されてきたSUPER GT鈴鹿大会。しかし、鈴鹿サーキットは今年からGT3マシンのための10時間レースを8月下旬の日程で開催することを決めた。この影響を受けて、SUPER GTの鈴鹿大会はレース距離を通常のシリーズ戦と同じ300kmに改めるとともに、梅雨が始まる前に開催されることが決定。こうしてシリーズ第3戦は、同じ鈴鹿大会でもこれまでにないレースフォーマットで、これまでにない時期に開催されることになったのだ。

その予選では、No.8 ARTA NSX-GTが1分44秒319というとてつもないタイムでポールポジションを獲得する。これまでのレコードタイムは1分47秒074だったので、これを3秒近くも短縮する驚異的なタイムだ。

なぜ、これほどの大記録を打ち立てることができたのか? 年々進むマシンの技術開発で基本的なパフォーマンスが改善された影響は大きい。例年の8月から、まだ暑さが本格化していない5月に開催時期が移されたことも関係しただろう。けれども、本当の原因はさらに意外なところにあった。

それは北西から南東に向かって吹く、強い風の影響だというのだ。8字形をした鈴鹿サーキットには、メインストレートとバックストレートという2本のストレートがいずれも北西から南東に向かう形になっている。つまり、この日の風はストレート上で強い追い風となり、GTカーを後押しして車速を伸ばすのに役立ったのである。

一方、鈴鹿でラップタイムに最も大きな影響を与えるのはS字コーナーだが、マシンはここを南東から北西に進む格好となる。つまり、まさに向かい風を受けながらS字コーナーを走行するわけだが、向かい風を受けたGTカーはいつも以上に大きなダウンフォースを発生し、通常時を大きく上回るコーナリングスピードをもたらす。これらの相乗効果によって、この日は驚異的なラップタイムが次々と記録されたのである。

勝利を喜ぶ、AUTOBACS RACING TEAM AGURIの3人。写真左から、鈴木亜久里監督、野尻智紀、伊沢拓也。
勝利を喜ぶ、AUTOBACS RACING TEAM AGURIの3人。写真左から、鈴木亜久里監督、野尻智紀、伊沢拓也。拡大
GT300クラスは、予選トップのNo.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/中山雄一)を先頭にレースがスタートした。
GT300クラスは、予選トップのNo.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/中山雄一)を先頭にレースがスタートした。拡大
No.25 HOPPY 86 MC(松井孝允/坪井 翔)は予選2位からスタート。決勝も2位でフィニッシュした。
No.25 HOPPY 86 MC(松井孝允/坪井 翔)は予選2位からスタート。決勝も2位でフィニッシュした。拡大
No.96 K-tunes RC F GT3は、ポール・トゥ・ウィンで初勝利を手にした。
No.96 K-tunes RC F GT3は、ポール・トゥ・ウィンで初勝利を手にした。拡大

ARTAのNSX-GTがポール・トゥ・ウィン

ところで、この日の予選でNo.8 ARTA NSX-GTに続いたのはNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)とNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史)。つまり、スターティンググリッドのトップ3がホンダ勢によって独占されたのだ。その理由について、No.8 ARTA NSX-GTに乗る野尻は「NSXは特に中高速で速いので、このような結果になったのではないかと思います」と語った。

決勝はNo.8 ARTA NSX-GTとNo.100 RAYBRIG NSX-GTが終始トップ争いを演じる展開となったが、結果的にNo.8 ARTA NSX-GTが逃げ切って今季初優勝を果たし、No.100 RAYBRIG NSX-GTは開幕戦と同じ2位でフィニッシュした。3位は4番グリッドからスタートしたNo.1 KeePer TOM'S LC500(平川 亮/ニック・キャシディ)。一方、予選で3位に食い込んだNo.17 KEIHIN NSX-GTは、レース中のバトルで相手と接触した責任を問われてドライブスルーペナルティーを科せられ、11位に沈み込んだ。

GT300クラスでも手に汗握る接戦が繰り広げられた。3番グリッドからスタートしたNo.0 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)は、タイヤ無交換作戦を選択して一時トップに浮上したが、300kmを1セットで走りきるにはタイヤのライフが不足しており、このため後続が次々と谷口が駆るNo.0 グッドスマイル 初音ミク AMGに迫る展開となる。それでも谷口は、神業としか思えないテクニックで2番手以下を抑え込んだものの、36周目に直後のNo.96 K-tunes RC F GT3に攻略されると、次々と順位を落とし、結果的に8位でチェッカードフラッグを受けた。

優勝は、上位陣では唯一タイヤを4本交換したNo.96 K-tunes RC F GT3。今年設立されたチームにとっては、これが初優勝となった。2位は2番グリッドからスタートして終始トップグループにつけていたNo.25 HOPPY 86 MC(松井孝允/坪井 翔)、3位にはNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が入った。

次戦は6月30日~7月1日にタイ・ブリーラムで開催される。

(文=大谷達也<Little Wing>/写真提供 GTA)
 

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