2018年7月20日から22日までの3日間、イタリア・ミザノにある国際サーキット、ミザノ・サーキット・マルコ・シモンチェッリにおいて、イタリアのバイクブランド・ドゥカティが2年に1度開催するイベント「World Ducati Week2018(ワールド・ドゥカティ・ウイーク2018/以下WDW)」が開催された。世界中のドゥカティオーナーが集結するこのイベントの様子をお伝えする。

盛り上がりが尋常じゃない

待ちに待った2年に1度のビッグイベントであること、第10回の記念すべき大会であること、新興国を含めた世界中でドゥカティのマーケットが拡大していることなど、今回のWDWが盛り上がる要因はいくつもあった。そしてそれを証明するように、3日間の合計来場者数は9万1596人と、前回から1万人以上も増す新記録を達成した。しかも、その40%はイタリア以外からの来場者であり、計73カ国からやって来た熱狂的なドゥカティファン=ドゥカティスタたちがメイン会場であるミザノサーキットを埋め尽くした景色は、まさに圧巻だった。

それだけではない。ドゥカティはWDW開催にあたり、ミザノ、リミニ、カットリカ、リッチョーネの各自治体から協賛を得ている。ブーツのカタチをしたイタリア半島の、ちょうどふくらはぎの部分にあたるエミリア=ロマーニャ州リミニ県の各都市は、どこを走っても新旧ドゥカティの車両と、ロゴTシャツを着た人であふれていた。またミザノから約100km内陸にあるボローニャには、ドゥカティの本社があり、隣接するミュージアムの見学やファクトリーツアーに参加するため、ここにも多くのファンがつめかけていた。

初日の夕方に催された、ドゥカティの首脳陣に加えて来場者も自由に参加できるパレードランもすさまじかった。WDWのプログラムには、サーキットを離れ、街中で開催するイベントも多数セットアップされており、このパレードランもサーキットから約20km離れたリミニの街までの、およそ30分のルートを走る。参加者はサーキットを1周してからリミニを目指すのだが、その数はあまりに多く、最後列がコースインするまでに先頭がスタートしてから2時間が経過していたほどだった。

また、パレードランの目的地であるロモ・リミニはレストランが立ち並ぶビーチであり、そこではパレードに参加したドゥカティスタたちをもてなすためのバーベキューパーティー「スクランブラー・ビーチパーティー」が開催され、ドゥカティ首脳陣が自ら伝統的なシーフードグリルを振る舞ったほか、プライベートビーチではDJパーティーも行われた。また2日目の夜にはリッチョーネのローマ広場に特設ステージを設け、首脳陣やさまざまなレースに参戦するワークスチーム&ライダーのトークセッション、ライブコンサートなどを開催。公式リリースの言葉を借りると、会場は「デスモドロミック(ドゥカティ独自のバルブ駆動システム)サウンドに包まれた」のだった。

ドゥカティオーナーにとっての楽園

サーキットでのプログラムもドゥカティならではのものだった。MotoGPやスーパーバイク世界選手権でトップ争いを展開するワークスチームとワークスライダー、過去に活躍したレジェンドライダーたちを交え、各カテゴリーのレースバイクを走らせたのだ。それだけではなく、800ccの「ドゥカティ・スクランブラー」をカスタムしたマシンでのフラットトラックレースや、まだ発売したばかりのV型4気筒エンジンを搭載した次世代スーパースポーツモデル「パニガーレV4S」を使ったワンメイクレースも開催したのである。通常、イベントでのエキシビションレースは“ほどほど”であることが一般的だが、世界中を転戦するいつものチームとともに参加したことから、ライダーも徐々にヒートアップ。セッティングの範囲内でしっかりとマシンを仕上げ、真剣勝負のレースを展開した。

パニガーレV4Sでのレースのスタート前には、イタリア空軍のアクロバットチーム「フレッチェ・トリコローレ」がコース上に飛来し、スモークでイタリア国旗カラーを描いてレースを盛り上げた。また各チームカラーのペイントが施され、レース用にスペシャルパーツがセットアップされた12台のパニガーレV4SがeBeyでオークションに掛けられ、そのすべてが落札された。

イベントに参加する人々は、近隣のホテルやキャンプサイトに宿泊し、そこからイベント会場であるミザノサーキットにやって来る。7月のイタリアといえば日本に負けないほどの猛暑で知られ、したがって参加者のほとんどが軽装だ。バイクを会場内に止めてから着替えるライダーもいるが、短パン&Tシャツ姿でドゥカティに乗ってやって来る参加者も少なくない。そしてカメラを向ければ、クラクションを鳴らしたりポーズを決めたりして勝手に騒いでくれる、そんな底抜けに明るいライダーたちがWDWの主役だ。自分のバイクを自慢し、ドゥカティを自慢する、そんなドゥカティスタたちの波にのみ込まれてしまったら、ドゥカティオーナーじゃなくてもその熱にすっかりやられてしまうだろう。そしてもしオーナーがやって来れば、ここは間違いなくパラダイスだ。

(文=河野正士/写真=ドゥカティ、河野正士/編集=堀田剛資)
 

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