BMW R1250GS(MR/6MT)
進化する宝石 2018.10.16 試乗記 単気筒、並列2気筒、並列4気筒、並列6気筒など、魅力あるエンジンを多数取りそろえるBMWだが、看板となっているのはなんといっても水平対向2気筒だ。新しい「R1250GS」に積まれた最新のフラットツインは、まさに“進化する宝石”だった。BMW史上最もパワフルなフラットツイン
BMWが最初の市販車に水平対向2気筒エンジンを搭載して以来、このパワーユニットは連綿とブランドの代弁者として活躍してきた。時代に合わせて変革し、環境適応力や動力性能を磨いてきた。近年でも、2013年には自身初となる水冷ユニットへとモデルチェンジを果たす。ドライブトレインも刷新して小型化し、シャシー性能の向上にも大きく貢献した。
今回のエンジンは、そのユニットの大きなアップデート版といえる。販売のトップバッターを務めるのがR1250GSと「R1250RT」の2モデルで、今回はR1250GSに試乗した。
BMWのGSは多機能が身上の、SUV的なモデルである。ツアラーであり、スポーツマシンであり、オフロード走破性も高いと守備範囲が広く、多彩な性能を持つのが特徴だ。モデルラインには単気筒の「G310」や並列2気筒の「F750/850」もあるが、水平対向エンジン搭載モデルがその支柱的存在である。
注目のエンジンは、前作からボア×ストロークを変更することで、排気量を84ccアップの1254ccに拡大。さらに「BMWシフトカム」と呼ばれる可変バルブタイミング機構の搭載により、スムーズかつ力強い出力特性を与えている。このシフトカム、吸気側に低速・高速と異なる2つのプロファイルを備えたカムシャフトを持つ。ライダーのアクセル操作やエンジン回転数が5000rpmを超えるなどの状況に応じて、アクチュエーターがカムをスライドさせ、バルブタイミングを変化させるのだ。これにより、最大トルクは14%、最高出力は9%向上と、史上最もパワフルな市販BMW水平対向2気筒エンジンが誕生した。
また、エミッションについても2020年から施行される環境規制「ユーロ5」にすでに準拠した性能を持ち、内部パーツの静音性向上も図られている。
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