パッケージを犠牲にしていない

明照寺:実用性との兼ね合いも考えられています。X2を見るとキャビンはかなり絞ってるんですけど、サイドウィンドウをあまり寝かせていない。結構立ってるんですよ。そのおかげで、リアシートに乗ってもあまり左右からの圧迫感がない。

永福:BMWの“偶数モデル”なのに、後席の居住性がとてもいい。ヘッドルームも余裕があって、「十分広いじゃん!」って思いました。

明照寺:パッケージングがすごくいいんですよね。多分フロントガラスの位置関係はX1そのままで、Bピラーから後ろだけ作り替えていると思うんですが、そのパッケージがいい。一見キャビンはスポーティーに絞られているんだけど、たたずまいはカチッと感じます。これは次世代のSUVとしてひとつの方向性かなって思いました。

永福:つまり、ぱっと見た印象は相当スポーティーなので、後席は圧迫感があるんだろうなと思うんだけれども、実際はそうではない。

明照寺:そうですね。加えて、ルーフを後端まであまり下げずに持っていってるじゃないですか。

ほった:リアガラスも思ったほど寝てないし、前回の「トヨタ・カローラ スポーツ」で話に出ていたテールゲートのヒンジ位置も、ちゃんと後ろ寄りにありますね。

明照寺:見た目のイメージよりも、パッケージをかなり重視しているのか、それとも偶然そうなったのかわからないですけど。

永福:「X4」とか「X6」って、クーペみたいにルーフが下がってますよね。僕の記憶では、X2よりもX4のほうが後席のヘッドルームに余裕がなかった。X4やX6は“SUVとスポーツカーの融合”がコンセプトなので、わかるっちゃわかるんですけど、個人的にはその融合自体に矛盾を感じていたんです。でもX2は無理に狭くせずにスポーティーに仕上がってるので、実にちょうどいい。フォルムとしてもすごく好みなんですよ。

「X2」のリアビュー。サイドウィンドウがそれほど寝かされておらず、ルーフの幅が広く取られている。
「X2」のリアビュー。サイドウィンドウがそれほど寝かされておらず、ルーフの幅が広く取られている。拡大
「X2」の後席。ガラスエリアの“倒れこみ”が小さく、天井もヘッドレスト後方まで高さが保たれているため、外観から想像するほどの圧迫感はない。
「X2」の後席。ガラスエリアの“倒れこみ”が小さく、天井もヘッドレスト後方まで高さが保たれているため、外観から想像するほどの圧迫感はない。拡大
サイドビューではボディー後方の形に注目。最後まで高さの保たれたルーフラインや、リアホイールハウスより後ろに位置するテールゲートのヒンジなど、車内空間に配慮したデザインとなっている。
サイドビューではボディー後方の形に注目。最後まで高さの保たれたルーフラインや、リアホイールハウスより後ろに位置するテールゲートのヒンジなど、車内空間に配慮したデザインとなっている。拡大
「X2」にとって兄貴分にあたる「X4」。同じ“偶数番号のBMW Xモデル”でありながら、クルマの形が全然違う。
「X2」にとって兄貴分にあたる「X4」。同じ“偶数番号のBMW Xモデル”でありながら、クルマの形が全然違う。拡大
明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

さまざまな自動車のデザインにおいて辣腕を振るう、現役のカーデザイナー。理想のデザインのクルマは「ポルシェ911(901型)」。

永福ランプ(えいふく らんぷ)
大乗フェラーリ教の教祖にして、今日の自動車デザインに心を痛める憂国の士。その美を最も愛するクルマは「フェラーリ328」。

Clubpymeほった(うぇぶしーじー ほった)
当連載の茶々入れ&編集担当。デザインに関してはとんと疎いが、とりあえず憧れのクルマは「シェルビー・コブラ デイトナクーペ」。

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