クロカンの存在価値とは何ぞや?

クロカンの定義とは何ぞや? 逆説的に、今年モデルチェンジを実施した3モデルの共通項を探ってみると、まず目を引くのは、強靱(きょうじん)だがズンドコ重いラダーフレームを使い続けていること。その鋼鉄の骨組みの上に、時流に合わせた最新のメカニズムを載せて新しさを強調しているのも同様だ。

エクステリアデザインでは、Gクラスとラングラーは先代からほとんど変わっていない。その点については両車の開発責任者が明言している。「新しくなっても“らしさ”を残した」と。対してジムニーは、前作の丸っぽさを捨て、「ペヤング ソースやきそば」みたいな四角い形に生まれ変わったが、それが「軽自動車のクロカン枠を守れば何だってアリ」という確信犯的手法であることは明らかだった。なんてのは嫌みだ。実際、カッコよかった。ゆえに発売直後から猛烈なバックオーダーを抱えたのは皆さん周知の事実。

おそらくクロカンは、年号も変わるこの現代において時代錯誤の産物だ。もはや四輪駆動はクロカンだけの特許ではないし、アプローチアングルを改良したところでその恩恵にあずかれる場所を走るオーナーはほとんどいない。本物感や道具感を楽しめるものではあるが、およそオーバースペック。つまり無用の長物。

それでもクロカンがなくならないのは、むしろ時代錯誤を好むファンが相対的少数とはいえ“確実”に存在する事実をメーカーサイドが無視できないから。というより、古い時代につくったものを守り続けるCSR的価値を大事にするメーカーがまだいくつかあるからだ。裏を返せば、変えてはならない要素に満ちた縛りの多いクルマだが、だからこそ歴史や伝統を託すことのできる秘宝になり得るのだと思う。

従来モデルの1.5倍という剛性を誇る「スズキ・ジムニー」のラダーフレーム。徳の高いクロカン野郎は、この写真だけでゴハン3杯いけるのだとか。
従来モデルの1.5倍という剛性を誇る「スズキ・ジムニー」のラダーフレーム。徳の高いクロカン野郎は、この写真だけでゴハン3杯いけるのだとか。拡大
一般的なユーザーの使用シーンを想像するに、普段使いでこのような悪路に踏み込むことは皆無である。本格的なクロカンは、すでに時代錯誤な存在となりつつある。
一般的なユーザーの使用シーンを想像するに、普段使いでこのような悪路に踏み込むことは皆無である。本格的なクロカンは、すでに時代錯誤な存在となりつつある。拡大
著名なクロカン車はいずれも長い歴史を持っており、「ディフェンダー」も1948年登場の「ランドローバー・シリーズI」を起源としている。
著名なクロカン車はいずれも長い歴史を持っており、「ディフェンダー」も1948年登場の「ランドローバー・シリーズI」を起源としている。拡大
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