トヨタ・カムリWS(FF/CVT)
ダンナ向けのセダンとは一味だけ違う 2018.11.09 試乗記 10代目「トヨタ・カムリ」の販売開始から1年、新グレードが追加された。“Worldwide Sporty”の頭文字を持つ「WS」がそれだ。北米デビュー当初から設定されている顔を日本向けに新採用した、ニューフェイスの走りを確かめる。北米市場にはない「WS」という名称
2017年1月のデトロイトモーターショーでデビューした新型カムリは、メインマーケットとなる米国市場で、「ホンダ・アコード」や「ヒュンダイ・ソナタ」といった強力なライバルたちと激しい戦いを繰り広げながらも、15年連続乗用車販売台数ナンバーワンの栄誉に輝くベストセラーモデルだ。初代「セリカ カムリ」──「セリカ」や「カリーナ」の姉妹車として1980年に登場したシリーズ最初で最後のFRモデル──から数え日本で10代目となる現行モデルは、2017年7月に発表されている。
カムリは日本仕様こそハイブリッド専用モデルだが、メインマーケットの北米では最高出力301psの3.5リッターV6がフラッグシップ。スポーティーなセダンとしても認識されている。そのV6搭載モデルにも採用されているアグレッシブとも表現したい厳(いか)つい顔が、日本でもWSとして選べるようになった……というのが既報の通り今回のトピックだ。
カムリ=スポーティーセダンの証明になるのかどうかはわからないが、年間36戦で争われるアメリカの「モンスターエナジーNASCARカップシリーズ」、いわゆるNASCARの参戦マシンとしてもカムリは使用されている。昨2017年シーズンはドライバーズタイトルとマニュファクチャラーズタイトルを同時に獲得。これはトヨタとして、2度目となる快挙である。2018年シーズンは、カムリを駆るカイル・ブッシュ選手が現在ドライバーズポイントで1位を爆走中で、めっぽう強い……というのは余談である。
新グレードに与えられた、WSというネーミングの意味するところは前述の通りだが、しかしなぜこの車名が日本市場向けとして選ばれたのかは不明だ。くだんの北米市場では、2.5リッター直4ハイブリッドの「SE」と3.5リッターV6の「XSE V6」のグレードが、このWS顔で販売されている。もちろんNASCARもこの顔だ。けれど、そのいずれにも「WS」の文字はない。