【F1 2019】ホンダとレッドブル&トロロッソが東京でキックオフ

2019.03.09 自動車ニュース
「2019 Honda F1 Kick Off」記者会見に出席した、ホンダとレッドブル、トロロッソのキーマン。
「2019 Honda F1 Kick Off」記者会見に出席した、ホンダとレッドブル、トロロッソのキーマン。拡大

2019年のF1開幕戦オーストラリアGPを翌週に控えた2019年3月9日、「2019 Honda F1 Kick Off」と題した記者会見が東京・青山のHondaウエルカムプラザ青山で開かれ、ホンダのパワーユニットユーザーであるレッドブルとトロロッソのドライバーおよびチーム首脳が新シーズンへの意気込みを語った。

2019年4月からホンダF1マネージングディレクターとなる、山本雅史モータースポーツ部長。記者会見の中で、「レッドブルとトロロッソのメンバーとともにこの場でキックオフできることが本当にうれしい」と何度も口にした。
2019年4月からホンダF1マネージングディレクターとなる、山本雅史モータースポーツ部長。記者会見の中で、「レッドブルとトロロッソのメンバーとともにこの場でキックオフできることが本当にうれしい」と何度も口にした。拡大

ホンダF1の「新たなスタート」

冒頭であいさつに立ったのは、今年4月付けで「ホンダF1マネージングディレクター」に就任することになった山本雅史モータースポーツ部長。「F1での頂点を目指し、新たなスタートをきる」という力強い言葉の裏には、F1専任のトップとなる自身のみならず、ホンダとしての覚悟が表れていた。

2015年のGP復帰から5年目にして、ホンダは、昨年からパートナーとなったトロロッソに加え、その姉妹チームであるレッドブルにも1.6リッターターボ・ハイブリッドユニットを供給することとなった。復帰後のマクラーレンとの散々な3年間を糧に、昨季トロロッソでしっかりと足固めを行ってきたホンダは、元王者レッドブルとのタッグでさらなる高みを目指そうとしているのだ。

インタビューは、まずトロロッソの3人から。フランツ・トスト チーム代表(写真中央)は、ホンダとタッグを組むことのメリットについて言及した。
インタビューは、まずトロロッソの3人から。フランツ・トスト チーム代表(写真中央)は、ホンダとタッグを組むことのメリットについて言及した。拡大
トロロッソのダニール・クビアト(写真中央)。2017年シーズンの途中でF1ドライバーの地位を失ったが、今季ふたたびレースを戦うことになった。
トロロッソのダニール・クビアト(写真中央)。2017年シーズンの途中でF1ドライバーの地位を失ったが、今季ふたたびレースを戦うことになった。拡大
記者会見で終始明るい笑顔を見せていた、トロロッソのルーキー、アレクサンダー・アルボン。テストでは500周もの周回をこなし、開幕戦に臨む。
記者会見で終始明るい笑顔を見せていた、トロロッソのルーキー、アレクサンダー・アルボン。テストでは500周もの周回をこなし、開幕戦に臨む。拡大

新体制、それぞれのアドバンテージ

2月にスペインのバルセロナで行われた8日間のテストでは、2チーム4台とも順調な仕上がりを見せていた。合計1768周、8230kmものマイレージをこなせたことは、マクラーレン時代とは比べものにならないほどの高い信頼性を獲得できたことの証しといえよう。

「テストで初めてマシンにパワーユニットを載せて走らせたことで、多くのデータが得られた。今は開幕戦に向けてその見直しを行っているところ」とは、田辺豊治 ホンダF1テクニカルディレクターのコメント。4台体制で走行データが飛躍的に増えたのは、パワーユニットの開発においても大きなアドバンテージになる。

レッドブルとトロロッソも、ホンダとタッグを組むことがアドバンテージになると見ている。今季から同じパワーユニットを搭載することをきっかけに、トロロッソは、トップチームたるレッドブルと部品共有化を進め、レッドブル・テクノロジー製のギアボックスやサスペンションが使えることとなった。グループチームとはいえリソースの限られたトロロッソは、より効率的にマシンを開発できるようになったのだ。

ホンダとの2シーズン目を戦うトロロッソのフランツ・トスト代表も、「2チーム間でコミュニケーションを図り情報を共有することはとても重要。レッドブル・テクノロジーとの関係も大変有益なものだ」と、ホンダがもたらした相乗効果を評価した。

トロロッソのメンバーに続いて登壇したレッドブルの3人。写真左から、マックス・フェルスタッペン、クリスチャン・ホーナー チーム代表、そしてピエール・ガスリー。
トロロッソのメンバーに続いて登壇したレッドブルの3人。写真左から、マックス・フェルスタッペン、クリスチャン・ホーナー チーム代表、そしてピエール・ガスリー。拡大
レッドブルのクリスチャン・ホーナー チーム代表。記者会見の場で、ホンダの迅速な仕事ぶりを賞賛した。
レッドブルのクリスチャン・ホーナー チーム代表。記者会見の場で、ホンダの迅速な仕事ぶりを賞賛した。拡大

常勝マシンのデザイナーもやる気十分

レッドブルも、新シーズンを前にして期待に胸を膨らませている。2010年からの4連覇から一転、ハイブリッド時代に入ると、パフォーマンスと信頼性に欠けるルノーのパワーユニットに足を引っ張られ、過去5年間100戦で12勝と苦戦が続いていた。自前のパワーユニットでチーム力アップを図るメルセデスやフェラーリに比べ、決して小さくないハンディキャップを背負っていたレッドブルは、同じく成功を欲するホンダと手を組み、再びチャンピオンとなることを狙っているのだ。

レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、「ホンダの、対応のスピード感は素晴らしい。これまではなかったことだ」とコメント。さりげなくルノーへの不満をほのめかしながらも、ホンダの仕事ぶりを褒めたたえた。また「チームの士気も高まっている」とし、「(数々の常勝マシンを手がけてきた技術面のトップである)エイドリアン・ニューウェイも、これまでにないくらいの高いモチベーションでマシン開発に取り組んでいる」などと語った。

ちなみにレッドブルのファクトリーがある英国ミルトンキーンズにはホンダF1の拠点もある。距離的に1kmと離れていない両者は、勝利という同じ目的に向けて、良好なスタートをきったといっていいだろう。

マックス・フェルスタッペンは、これまで5度の優勝経験がある。ホンダのパワーユニットで、さらなる勝利を手にできるか。
マックス・フェルスタッペンは、これまで5度の優勝経験がある。ホンダのパワーユニットで、さらなる勝利を手にできるか。拡大
テスト中にクラッシュしたピエール・ガスリー。「失敗から学び、ポイントを獲得したい」などと抱負を述べた。
テスト中にクラッシュしたピエール・ガスリー。「失敗から学び、ポイントを獲得したい」などと抱負を述べた。拡大
会場となったHondaウエルカムプラザ青山の前には、ホンダのパワーユニットを搭載する過去のF1マシンが4台並べられた。写真左から「ホンダRA272」(1965年)、「ウィリアムズ・ホンダFW09」(1984年)、「ホンダRA106」(2006年)、「レッドブル・トロロッソ・ホンダSTR13」(2018年)。
会場となったHondaウエルカムプラザ青山の前には、ホンダのパワーユニットを搭載する過去のF1マシンが4台並べられた。写真左から「ホンダRA272」(1965年)、「ウィリアムズ・ホンダFW09」(1984年)、「ホンダRA106」(2006年)、「レッドブル・トロロッソ・ホンダSTR13」(2018年)。拡大

フェルスタッペン「前夜は眠れなかった」

レッドブルとトロロッソのマシンを操るのは、平均年齢22.5歳という若手ドライバー4人。この中で最年少にして既にGPキャリア5勝を記録しているレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、「マシンのシェイクダウン前夜は眠れなかったほどだ」と、ホンダのパワーユニットで走れること待ち望んでいた心境を明かした。

トロロッソから今年レッドブルに昇格したのはピエール・ガスリー。ホンダとは、2017年に参戦した日本のスーパーフォーミュラからの付き合いとなり、その経験を生かしてさらなる飛躍を目指したいところだ。冬のテストで大クラッシュを演じてしまい、ボスのホーナーから「ピエール(ガスリー)のおかげで、ただでさえ忙しい開幕前がさらに忙しくなった」とチクリと刺されるシーンもあったが、「失敗からは学ばないといけない。2年目のF1、自分も成長して、できるだけポイントを獲得しチームに貢献したい」と謙虚に答えていた。

トロロッソのルーキー、アレクサンダー・アルボンは、1950年代に活躍したビラ王子以来となるタイ国籍のドライバー。準備期間が短く、ほとんどぶっつけ本番で臨んだテストでは500周をこなして経験不足を補った。2017年にレッドブル系ドライバーの地位を失ったダニール・クビアトは、トロロッソでカムバック。2015年からのGPキャリアで得たノウハウでチームをけん引したいところだ。

昨年同様、全21戦が組まれる2019年のF1世界選手権。開幕戦オーストラリアGP決勝は3月17日、鈴鹿サーキットでの日本GP決勝は10月13日に予定されている。

(文=bg/写真=Clubpyme)

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