レーシングドライバーの谷口信輝が「86 GR」に試乗。TOYOTA GAZOO Racingがノウハウを注ぎ込んだ、コンプリートカーの仕上がりは? 86に詳しいプロフェッショナルの視点からリポートする。

500万円の価格はむしろ割安

86 GRをじっくり観察し終えた谷口信輝は、おもむろに運転席に腰掛けるとダッシュボード上のスタートボタンを押し込んでエンジンを始動。続いてローギアを選択すると、静かに走り始めた。

写真撮影のために、私たちの目の前を86 GRで何度も往復する谷口。そのペースは、なかなか速いように思えた。

「よくバランスがとれていて、カーブがとっても楽しいクルマですよ。限界はそれなりに高いから、これでも全然、許容範囲内におさまっている。別に攻めているつもりはありませんが、ポテンシャルはまだまだ余っている状態です」 運転席から降り立った谷口はそう語った。

「ステアリングフィールは、僕がよく言う『数字がきれいに並んでいる』タイプ。つまり、操舵量に比例して正確に曲がっていく特性に仕上げられています。ブレーキは踏めば踏むだけしっかりと利いてくる。僕は、ブレーキ踏力で制動力をコントロールしたいので、パッドが勝手にかみ込んでいくタイプは好きじゃないんですが、その意味でもこのブレーキはいいですね。キャリパーががっしりとしている印象です」

乗り心地はどうか?
「ちょっとダンパーが硬めな気もしますが、その分、コーナリングの楽しさが引き出されているので、いいんじゃないですか? つまり、クルマの性格がはっきりと走り方向に振られていて、ノーマルとは別のキャラクターに仕立てられている。おかげで、やや間口は狭くなるかもしれませんが、ノーマルとのすみ分けはうまくできていると思いますよ」

86 GRのように自動車メーカー自身が開発・販売するチューニングカーにはどんな魅力があるのか? 谷口に語ってもらった。(続く)

(語り=谷口信輝/まとめ=大谷達也<Little Wing>/写真=小林俊樹/編集=関 顕也)

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